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chimera films london news vol.13
17th June 2003


キメラフィルムスUKより「暑中お見舞い申し上げます」。

たいへん長らくご無沙汰していました。クリスマスレターをのぞけば約1年ぶりのニューズレターです。みなさま、いかがおすごしですか?

二、三日夏日が続いたかと思ったら雨雲が戻ってきたり、この夏のロンドンはなかなか天気が落ち着きません。昼だけは夏至に向かって日増しに長くなっていますが、折り返しを過ぎたら日ごとに暗くなるなあと、ついつい長い冬を先取りして想像して憂鬱になったりします。せっかく夏が来たのに。

今号のキメラフィルムス・ロンドンニュースはもりだくさん。最近のキメラのニュースのほかに、いくつかの興味深いテキストもあわせてご紹介します。「ニュース・バラエティ」とでも申しましょうか、キメラからのお中元と思ってお納めください。少々長いのでお時間のある時にお読みいただければ幸いです。なお、どなたにでもご自由にご転送ください。

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キメラニュース・バラエティお献立
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1,最近キメラが制作したTVCM『リニューカー(翼システム)』の報告
2,最近のキメラニュース盛り合わせ
3,イラク戦争と企業に関する論考(前菜付)
4,枝廣淳子氏インタビュー   
「企業の顔が見える環境コミュニケーションを」


なお、「出す出す」と言ったきりだったメールマガジンをついに出しました。マガジンの他に英文テキストの翻訳原稿を中心にしたニューズメールも配信しています。興味のあるかたはこちらにアクセスしてバックナンバーをご覧ください。ただし、これはキメラフィルムスの業務とは関係なく、キメラの一員である藤澤が個人的におこなっているボランティア活動の一環です。 では、キメラフィルム・ロンドンニュース13号のメニューをお楽しみください。

2003年6月17日

キメラフィルムス・スタッフ一同




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1, TVCM『リニューカー(翼システム)』の報告
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誘拐未遂から撮影時間制限まで
大物中の大物、ベッカムCM撮影のあれこれ。
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「あのー、大物タレントの仕事なんですけど」という電話がかかってきたのはもう薄暗いイギリスの冬の午後だった。「名前はまだ言えないんですけど、よろしくお願いします」

大物が出演する仕事にはお決まりの導入である。事情は重々承知のうえで会話に乗じていろいろと聞いてみる。
「大物って、イギリス人ですよね」「ええ」「俳優ですか?」「いえ」「じゃ、ミュージシャンですか?」「いえ、そうじゃなくて」「あ、わかった。サッカー選手でしょ?」「・・・・・・・」ビンゴッ!!

昨今のイギリスを見渡しても日本で人気の大物と言えば限られている。と言うより、この人しかいないでしょ、やっぱり。そんなわけで、わかっているけど正式な制作発表があるまでその名を口に出すのは絶対タブーという広告業界の慣例に従って、最初の数週間、むずがゆい会話を繰り返しながらこの仕事は始まった。

大物俳優とか大物歌手とか以前にもいろいろとありましたが、サッカー選手というのは、それにもましてリスクが高い。試合日程は直前になって変更になる場合もあるし、いつなんどき怪我するかわからない。よって、不出現保険をかけることはほぼ不可能なのだ。

何より厳しかったのは時間制限。 2日間の撮影とはいえ、与えられた時間は朝の練習が終わった後の1日あたりウン時間。この人のギャラって時給ウン千万円と誰もが頭の中で電卓を叩いた。とは言え、主役が現れる時間に限りがあるので、毎度悩まされるスタッフのオーバータイムのことだけは考えなくてすむ。

監督は手練れ中の手練れ、『アイ・ラブ・ホンダ』等の洗練された映像表現で有名な守本亨監督。あらかじめ作品集を送ってもらい、ちょっと緊張しながら見ると、先鋭的な映像とあたりまえのかっこよさを微妙にずらした、したたかなユーモアを含んだ作品群が並んでいた。

細部にこだわる繊細なタイプの監督か?・・・と想像をたくましくしていたら、現れたのは関西弁の豪快なダジャレ魔人だった。(でも繊細なんだと思います、作品を見ると。) この守本さんが関西人特有(?)のサービス精神と洒落っけをもって企画した「デビッド・ベッカム年間キャンペーン」、プレゼンの段階ですでにクライアントも大乗りだったらしい。

提案の柱は「デビッド・ベッカムの今までにない人間的な側面をユーモラスに引き出すため、コメディ・スケッチをやらせる」。うん、やらせたい!

しかし・・・・年間キャンペーン用のCMウン本を与えられたウン時間で全部撮る!?出演者はシャイで有名なデビッドだし、うるさいかーちゃん(ポッシュ)が現場に来るのも知れ渡っている。

あいだをはしょって結果だけ言えば、撮りました、全部を時間内で。どれだけコミカルに撮れたかと言うとクスクス笑えるんじゃないかと思いますが、かっこいいんですよね、ベッカムって、何やっても。

まあ、見て下さい。現在放映中です。

直前にポッシュ誘拐未遂報道があったのですごいボディガードを連れて来るかと思われたデビッドは、自らハンドルを握ってひとりでスタジオにやってきた。気さくでいい人でした。2日目の撮影にはポッシュが立ち会い、予想通 りのかーちゃんNGが出ましたが。キメラのホームページではクレジットしかご覧いただけませんが、リニューカーのホームページ(AD GALLERYをクリック)でデビッドのはにかんだような笑顔をご堪能いただけます。

さて、このデビッド、来シーズンからバルセロナに移籍するとかしないとか、このところ毎日メディアをにぎわせています。タブロイド紙はもちろん高級紙の見出しまでが「イングリッシュ・フットボールの死」「行かないで、ベック」と書き立てる様をみると、イングランドの人々にとってこれは単にスター選手の消失とか才能の流出とかの問題ではなく、プライドをもぎ取られるのに等しいみたいです。

ところで最近、例のポッシュ誘拐未遂報道はニューズ・オブ・ザ・ワールド紙の記者による「ヤラセ」だったことが発覚しました。このせいでどれだけ現場が混乱したかと思うと腹も立ちますが、いちばんの被害者はセキュリティに莫大な支払いをしたベック一家かもしれません。大物もたいへんだ。


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2,キメラニュース盛り合わせ
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ミキハウス『ロケットボーイ』がIBAファイナリストに

「おめでとうございます」と、とあるプロデューサーからメールが届いて初めて知ったウカツ者のキメラですが、弊社が昨年制作したミキハウスのシリーズCMの1本『ロケットボーイ』がIBA賞のファイナリストに選ばれました。(もう一度ご覧になりたいかたは、こちらからどうぞ。)

IBA(INTERNATIONAL BROADCASTING AWARDS)賞とは、ハリウッドを中心としたアメリカ西海岸の広告会社、放送局、制作会社の代表者で組織したHRATS( HOLLYWOOD RADIO AND TELEVISION SOCIETY) が主催する賞で、今年で42回目を迎えるとか。『ロケットボーイ』はそのTV8部門(米国外で製作された英語版の30秒作品)の最終選出に残ったとのことです。

グランプリは逃しましたが、賞とも罰ともとんと縁のない生活を送っていたので、なんだかうれしい。


ダスキンの鼻男、日本のエージェントを求む

キメラが昨年、キャスティングをお手伝いした『ダスキン・サービスマスター』のCMに出演した謎のアメリカ人チャーリー・シュミットが、日本のエージェントを探しています。

「変な外人タレント」として売り出したいと本人は希望していますが、何もしなくても充分に「へん」なうえに「芸(鼻芸と楽器演奏)」もあります。日本での留学経験があり、日本語もちょっとしゃべります。どなたかお心当たりがありましたらキメラまでご一報ください。(チャーリーをご覧になりかたいかたは、こちらから。)


クリスマスチャリティ企画にご協力ありがとうございました

クリスマスレターでみなさまにお伝えしたとおり、暮れから新年にかけてのキメラホームページのアクセス数によるチャリティ企画へのご協力に感謝いたします。期間中のアクセス数1回につき10ペンス、プラスアルファで250ポンドを世界食糧計画に寄付いたしました。 世界の飢餓人口を思えば焼け石に水にもならない微々たる金額ですが、日々の食物にも事欠く人々のことを忘れないよう省エネルギーな暮らしを心がけたいと思っています。


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3,イラク戦争と企業(お中元代わりの特別付録)
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今回のイラクに対する攻撃の根拠となったWMD(大量破壊兵器)問題がブレア内閣を縦に横に揺さぶっています。(今日から証人喚問が始まります、わくわく。)

一方、ワシントンDCでも攻撃の正当性をめぐって嵐が起きつつあり、早くも「ウェポン・ゲート」と名付けられています。これこそ「WMDの確たる証拠!」とブッシュ大統領が胸を張った移動式ラボも、軍事気球を脹らませるための水素を製造してただけと、つい先週、明らかにされました。

80%を越える国民の反対の声を押し切って「やる気連合」に加わった小泉政権はいかがでしょうか。野党の追及に対して「フセイン大統領が見つかっていないから、フセイン大統領が存在していなかったと言えますか」と絶叫したとウェブニュースで読みましたが、じゅんちゃん、ダイジョーブ?
(毎日新聞の当該記事)
http://www.mainichi.co.jp/news/article/200306/12m/021.html

ともかく攻撃は始まり、いちおうの終結をみました。壊しちゃったものはなんとかしなくちゃということで、イラク復興をめぐる企業の争奪戦も一段と激しさを増しているようです。お中元代わりの特別 付録として、イラク復興をめぐるナオミ・クラインの興味深いテキストをお送りします。

ちょっと胃もたれしそうなハードコアな原稿の前に、WMDをめぐる小話風の前菜をどうぞ。 なお、この項目は、メールマガジンとは別に不定期に配信しているニューズメールのサンプルも兼ねています。

ブッシュ陣営・あぶない虚言録(TUP速報106号03年6月12日)

【翻訳者のコメント】 イラク戦争の口実だった大量破壊兵器がいまだに見つからないので、ブッシュ政権はなにかと「言いわけ」に忙しい。彼らのついた「ウソの数々」は、ウォーターゲート事件以来の政治スキャンダルに発展するのでは? と一部で報道されている。そこで、さまざまな論考に引用されたブッシュ陣営による「大量 破壊兵器のウソ」を、発言順にまとめてみた。(パンタ笛吹/TUP翻訳メンバー)

(原文URL)
http://www.bayarea.com/mld/mercurynews/6010098.htm
http://www.cnn.com/2003/LAW/06/06/findlaw.analysis.dean.wmd/
http://billmon.org.v.sabren.com
http://truthout.org/docs_03/060303A.shtml

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ブッシュ陣営・あぶない虚言録
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☆率直に言って、サダム・フセインが大量破壊兵器を持っているということは、疑いようがない。サダムは、それらの大量 破壊兵器を我が国や友好国を攻撃するために、さらに備蓄しているのは間違いない。
チェイニー副大統領・会議講演 2002年8月26日

☆サダムはいま自由だ。われわれは、サダムが核兵器を作っているという証拠をつかんだ。彼は生物化学兵器にも改良を重ねている。アルカイダとフセインが共謀してテロを起こす恐れがあり、私はサダムの脅威を世界に警告する。    
チェイニー副大統・CNN対談 2002年9月10日

☆いまこの時、イラクは生物兵器の生産施設を改良し、拡張している。    
ブッシュ大統領・国連演説 2002年9月12日

☆イラクは生物化学兵器を備蓄し、さらに多くの兵器を作るために兵器工場を再建している。    
ブッシュ大統領・ラジオ講演 2002年10月7日

☆わが諜報担当職員は、イラクが生物化学兵器を搭載し、広いエリアを攻撃できる有人・無人の飛行兵器を開発していることを発見した。イラクがこれらの飛行兵器でアメリカ本土を直撃しようともくろんでいることに、われわれは憂慮する。また、サダム・フセインが、「核兵器による聖戦部隊」と呼ばれる核科学者たちと何度も会合をくり返し、核兵器生産を再開しているという証拠も、われわれはつかんだ。スパイ衛星写 真は、再建された核兵器工場の所在を明らかにした。またイラクは、核爆弾製造目的で、遠心分離器に使うための高強度アルミニウム管も購入しようとしていたのだ。
ブッシュ大統領・オハイオ州シンシナティでの講演 2002年10月7日

☆あなた方は、ブッシュ大統領が、「サダムは大量破壊兵器を持っている」と何度も繰り返して言っているのを聞いただろう。もしフセインが(大量 破壊兵器を)何も持ってないと宣言するのなら、彼は今回もまた、世界をまどわそうとしているのだ。    
フライシャー報道官 2002年12月2日

☆われわれは、事実として、(大量破壊)兵器がそこに隠されていると知っている。    
フライシャー報道官 2003年1月9日

☆われわれの諜報当局は、イラク政府が500トンにもおよぶサリンやマスタードガスやVX神経ガスなどの原料を隠し持っていると推定している。また、サダム・フセインは、25000リットルの炭疽菌や38000リットルのボツリヌス菌を貯蔵し、30000発の生物化学兵器を搭載できるロケット弾を持っている。    
ブッシュ大統領・一般教書演説 2003年1月28日

☆われわれは、サダム・フセインが大量破壊兵器を持ち続けることを知っているし、また彼がもっと多くの兵器を生産しようとしていることも知っている。イラクは移動式生物兵器製造施設を隠しているし、化学兵器を積める6500発にものぼる弾頭は、いまだに行方不明である。    
パウエル国務長官・国連演説 2003年2月5日

☆サダム・フセインは近ごろ、化学兵器を戦闘で使う許可を指揮官たちに与えたという情報をわれわれは得た。この独裁者は、自分たちは化学兵器など持っていないと公言しているのにである。    
ブッシュ大統領・ラジオ講演 2003年2月8日

☆バグダッドの指導者(フセイン)が、大量破壊兵器を破棄すると戦略的に決意したかというと・・・われわれの判断では、フセインにそんなつもりは全くないのは明らかだ。    
パウエル国務長官 2003年3月7日

☆米英の諜報局が集めた証拠によると、フセイン政権が、史上最も殺戮力の強い破壊兵器を隠し持ち続けていることは、疑いようのない事実だ。    
ブッシュ大統領・国民向けテレビ演説 2003年3月17日

☆私はサダム・フセインがアルカイダに生物化学兵器を供給したと信じている。実際、イラクはすでに核兵器を再編成しているのだから。    
チェイニー副大統領・TVインタビュー 2003年3月16日

☆イラクが大量破壊兵器、特に生物化学兵器を持っているという情報と証拠をわれわれが持っているので、これはもう疑いようがない。これらの証拠は、どれくらい時間がかかろうとも、戦争が進むにつれて明らかにされていくだろう。
フライシャー報道官 2003年3月21日

☆サダム・フセインが大量破壊兵器を隠し持っていることには、疑いのはさみようがない。作戦が遂行される過程で、それらの兵器は調査され、発見されるだろう。また、それらを作った科学者や、兵器を守る兵士たちも、一緒に逮捕されるだろう。    
トミー・フランクス陸軍大将 2003年3月22日

☆作戦目標の一つは、大量破壊兵器を見つけだし、破壊することだ。われわれは、いくつかの候補地を知っている。
クラーク国防総省報道官 2003年3月22日

☆われわれはもうすぐ、大量破壊兵器を発見した!という大ニュースにお目にかかるだろう。    
エイデルマン国防会議員 2003年3月23日

☆われわれは(大量破壊)兵器が、どこにあるか知っている。それは、ティクリットとバグダッド周辺、その東か西か、南か北だ。    
ラムズフェルド国防長官 2003年3月30日

☆まちがいなくブッシュ政権は、米軍が見つけた大量破壊兵器はすべて公表する意向だ。それも大量 にあることだろう。
ロバート・ケーガン・ネオコン理論家 4月9日

☆みなさんが今までお聞きになったように、またこれからも聞くように、自信を持って私は断言します。「大量 破壊兵器は、必ず発見されます」と。    
フライシャー報道官 2003年4月10日

☆われわれはイラクの科学者や政府や軍の人間たちから、大量破壊兵器について情報を集め、協議している最中だ。サダムはそれらの兵器をすでに破壊したか、いくつかは分散させたかだろう。どちらにしろ、われわれは兵器を見つける。
ブッシュ大統領・TVインタビュー 2003年4月24日

☆イラクには、大量破壊兵器について、われわれが必要としている情報を持つ人間がいる。だから、われわれはその兵器を突きとめることができる。    
ラムズフェルド国防長官 2003年4月25日

☆われわれは必ず見つける。あとは、時間の問題だ。    
ブッシュ大統領 2003年5月3日

☆私は大量破壊兵器の存在を明らかにする証拠を、見つけることができると、確固たる自信を持っている。    
パウエル国務長官 2003年5月4日

☆イラクでは、(ただぶらぶらとしていて)大量破壊兵器につまずくなんて、そんな甘い考えは持っていない。    
ラムズフェルド国防長官 2003年5月4日

☆そろそろ大量破壊兵器が発見されても、私は驚きはしない。なぜなら、サダムは兵器開発計画を持っているからだ。
ブッシュ大統領 2003年5月6日

☆アメリカ政府は、大量破壊兵器が、「車庫のドアを開けたら、そこにあった」などと、そんなに簡単に見つかるとは期待してはいない。    
ライス安全保障担当補佐官 2003年5月6日

☆それが、もう何年も前に破棄されていたのかどうか、私には分からない。数年前まで化学兵器があったことは疑いないが、戦争直前に破棄したのか、まだ隠されているのか、それも私には分からない。    
パトレアス少将・101空挺団指揮官 5月13日

☆私はその答えを知らないけど、フセインたちは(大量破壊兵器を)戦争が始まる直前に破棄する時間があったのかもしれない。    
ラムズフェルド国防長官 2003年5月27日

☆ホワイトハウス内部の官僚のせいで、(イラク攻撃を正当化する)理由として、大量 破壊兵器に焦点をしぼることにした。というのは、大量破壊兵器だけが、誰もが納得できる理由だからだ。    
ウォルフォウィッツ米国防副長官 2003年5月28日

☆われわれが禁止された兵器やそれらの製造機器を未だに発見していないと言っている人たちは、まちがっている。なぜなら、われわれはそれらの禁止兵器をすでに見つけたからだ。(訳者注:この禁止兵器とは、移動化学トレーラーを指すものと思われるが、それは気球を膨らますためのイギリス製・水素製造車だということが判明した)    
ブッシュ大統領 2003年5月30日

☆大量破壊兵器がいまだに見つからないのは驚きだ。われわれが努力していないというわけではない。われわれは、クウェート国境からバグダッドにいたるまで、ありとあらゆる候補地を探し回った。しかしただ単に、大量 破壊兵器など、どこにもないのだ。    
コンウェイ第一海兵隊中将 2003年5月30日

☆イラクは大量破壊兵器の開発計画を持っていた。そのことを時間とともに解明できることを、私は確信している。世界はこれまでより平和になったし、イラクの人々は解放され、自由になった。    
ブッシュ大統領 2003年6月9日

・・・以上が、大量破壊兵器に関する発言だ。これらのウソにより、数千人の市民が殺され、数万人が傷ついて、今も苦しんでいることを、忘れてはならない。(抄訳・パンタ笛吹/TUPメンバー)

このテキストは「平和のための翻訳家集団TUP」の速報「TUP速報」からの転載です。TUP速報への問い合わせ、および速報の申し込みは以下の通 りです。

電子メール: TUP-Bulletin-owner@egroups.co.jp
TUP速報の申し込みは: http://www.egroups.co.jp/group/TUP-Bulletin
*問い合わせが膨大な数になっています。返事が書けない場合がありますのでご容赦ください。

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「イラク復興再建」は私営化の隠れ蓑である
Rebuilding Iraq? - It's privatization in disguise
ナオミ・クライン - by Naomi Klein
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2003年4月13日 Zネットマガジン
翻訳/益岡賢(文末に訳者のコメントがあります)

(英文URL) http://www.zmag.org/content/showarticle.cfm?SectionID=15&ItemID=3452
(和訳URL) http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/

2003年4月6日、国防副長官ポール・ウォルフォウィッツは、イラク暫定政権の設置にあたっては、国連の役割はない、と宣言した。米国が「運営する」政権を少なくとも6か月続け、「恐らく・・・それ以上続けるかも知れない」。

そして、イラクの人々が政府に関して見解を表明できるようになるときまでには、イラクの将来を巡る重要な経済的決定は、占領者たちによって決定されてしまっているだろう。「第一日目から、効果 的な行政が必要である」とウォルフォウィッツは言う。「人々には水と食べ物と薬が必要であり、下水も電気も機能する必要がある。そして、それは、同盟国の責任だ」。

こうしたすべてのインフラを機能させるためのプロセスは、通常、「再建」と呼ばれている。けれども、イラク経済の将来を巡る米国の計画は、それを遙かに越えるものである。ワシントンのネオリベラル・イデオロギー信奉者たちにとって、イラクは、夢のような経済、すなわち、全面 的に私営化され、海外企業に所有され、ビジネスに開かれているような経済をデザインできる白紙の社会なのである。

いくつかの点について:ウムカスルの港に関する480万ドルの運営契約は、すでに米国企業スティーブドーリング・サービシズ・オブ・アメリカのものとなった。また、空港もオークションにかけられている。米国国際開発局(USAID)は、道路や橋の再建から教科書の印刷に至るまでのすべてについて、米国多国籍企業の入札を求めている。これらの契約のほとんどは、最大1年であるが、4年に延長できるオプションを持つ契約もある。これらの契約が、私営水道サービスや交通 、道路運営、学校や電話の長期契約になるまでに、どのくらいかかるだろうか? 「再建」が、「再建」を装った私営化に転ずるのはいつだろうか?

カリフォルニア州選出の共和党議員ダレル・イッサは、「戦後」イラクでCDMA携帯電話システムを構築するよう国防省に求める法案を提案した。「米国の特許所有者」に利益をもたらすためである。サロンでファーハド・マンジョーが述べたように、CDMAはヨーロッパではなく米国で使われているシステムであり、このシステムを開発したQualcomm社は、イッサに対する最大の献金企業の一つである。

そして、石油がある。ブッシュ政権は、イラクの石油資源をエクソンモービル社やシェル社に売却することについて公にはなすことはできないことを知っている。それゆえ、この問題を、イラクの元石油省職員だったファドヒル・チャラビに任せている。「イラクには大量 の資金が必要である」とチャラビは述べる。「そのための唯一の方法は、部分的に産業を私営化することだ」。

彼は、米国によってなされたと見えないようなかたちで私営化を成し遂げるための方法について米国国務省に助言をしてきた亡命イラク人の一人である。このグループは、都合の良いことに、2003年4月4・5日にロンドンで会議を開き、そこで、戦後、イラクは多国籍企業に対して開放されることが望ましいと述べている。米国政府は、これに対して、亡命イラク人に対して暫定政権で多くのポストを提供することにより、感謝の意を表している。

この戦争が石油を巡るものだったと言うのは単純すぎると論ずる人々もいる。それは正しい。この戦争は、石油、水、道路、列車、電話、港、薬に関するものである。そして、このプロセスが止められないならば、「自由イラク」は、地上で最も売り払われてしまった国になるだろう。「再建」が1000億ドル相当のビジネスになるというだけでない。問題はまた、より暴力的でない方法での「自由貿易」が、あまりうまくいっていないことにも関係している。ますます多くの発展途上国が私営化を拒絶しており、ブッシュの貿易プライオリティのトップにある米州自由貿易地域は、ラテンアメリカ中で、ものすごく不人気である。知的財産権、農業とサービスに関する世界貿易機関(WTO)の議論も、米欧が過去の約束を履行していないという非難の中で滞っている。

では、経済停滞を抱え、成長中毒になった超大国は何をすることになるだろう。密室での脅しにより市場へのアクセスを獲得する自由貿易「ライト」から、先制攻撃により戦場を作り出し、そこで新たな市場を獲得する自由貿易「スーパーチャージ」に、戦略を改善するというのはどうだろう? 結局のところ、主権国家との交渉は困難なものである。標的とした国をバラバラに粉砕して占領し、好きなようにその国を「再建」するのが楽である。一部の人が主張するように、ブッシュが自由貿易をあきらめたわけではない。そうではなく、「買い取る前に爆撃せよ」という新たなドクトリンを採用しただけなのである。

イラクという不幸な一国を越えたところまで、それは進む。投資家たちは、イラクの私営化が実現すれば、イランもサウジ・アラビアもクウェートも石油を私営化することで競争せざるを得なくなるだろうということを、隠そうともしていない。エネルギー・コンサルタントのS・ロブ・ソブハニは、ウォールストリート・ジャーナル紙に対して、「イランでは、野火のように発火するだろう」と述べている。米国が、新たな自由貿易地域を丸ごと爆撃により獲得したといった事態に、まもなくなっていくかも知れない。

これまでのところ、イラク「再建」を巡るメディアの議論は、「フェアプレイ」に焦点を当てている。それは「極めて不手際だ」と、EUの対外関係コミッショナーであるクリス・パッテンは語る。米国が美味しいところをすべて自分でキープしているからである。米国は分け合うことを学ばなくてはならない。エクソンモービル社は、フランスのTotalFinaElf社を、最も利益のあがる油田に招かなくてはならないし、ベクテルは英国のテムズ・ウォーターに、下水契約の一部を与えなくてはならない、と。

しかしながら、パッテンは米国の一国主義をいらだたしく思っており、トニー・ブレアは国連の管理を求めているかもしれないが、それは本来の問題ではない。ポスト・サダム時代かつ民主化前のイラクにおける「精算整理」セールスで、どの多国籍企業が最も美味しいところをとったかを、誰が気にしよう。私営化が米国により一方的になされるか、米国・欧州・ロシア・中国により多元的になされるかは、問題ではない。

この議論から全く抜け落ちているのは、イラクの人々である。イラクの人々も−誰にわかるだろう?− 自分たちの財産のわずかばかりを手にしておきたいと思っているかもしれない。イラクは、爆撃が終わった後で、大規模な賠償を手にする権利を持っているはずだが、真の民主化プロセス不在の中で、計画されていることは、賠償でも再建でも復興でもない。強奪である。慈善の見せかけをまとった大量 強奪。人々の代表が不在のままなされる私営化。

「経済制裁」により病気と飢餓に追いやられた人々。そして戦争で粉々にされた人々。こうした人々が、トラウマからようやく回復したとしても、目にするのは、完全に売り払われた祖国なのである。そして、新たに見つけた「自由」 −そのために多くの愛しい人々が命を失った− が、既に、爆弾が投下されている間に行われた会議室でなされた経済的決定により逆転不可能なまでに足かせをはめられている状況を発見するだろう。

その後で、新しい指導者たちに投票しろと命令されるかも知れない。そして、すばらしい「民主主義の世界」に歓迎されることになるのだろう。

【訳者のコメント】
ナオミ・クラインはカナダの著述家で、『ブランドなんか、いらない』(はまの出版)が日本語でも読めます(大部で時間のかかる本ですが、良い本だと思います)。
インドネシアで1965年に起きたことがそのまま起こりつつあります。米国の後押しを受けたスハルトによる大量 虐殺の後、「先進」各国は、インドネシアを、産業領域毎に、誰が略奪するか決める会議を開催しました。世界有数の豊富な資源を有するインドネシア。その後32年間のスハルト独裁とそれを通 した多国籍企業による略奪で、インドネシアは今巨額の負債と貧困、大規模な人権侵害にあえいでいます。エクソンモービル社は、インドネシア軍を傭兵のように雇って、アチェで巨大な利益を得ています。GAPのインドネシア工場では、顧客からの注文に間に合わせるために、女性労働者が大便すらさせてもらえないで働かされる状況もある程です。そして、国軍と翼賛政党ゴルカルが絶対多数になるよう巧妙に仕組まれた「選挙」を、各国は賞賛してきたのでした。
翻訳、固有名などきちんとチェックしていないところがあります。ご容赦下さい。
(益岡賢 2003年4月14日)


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4,枝廣淳子氏インタビュー
「企業の顔が見える環境コミュニケーションを」

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企業をはじめとする日本の環境対策に関する取り組みを世界に向けて発信しているJFS(ジャパン・フォー・サスティナビリティ)共同代表の枝廣淳子さんのインタビューを、ご本人の許可をいただいてJFSのニュースメールより転記します。

それぞれの企業が取り組んでいる環境対策を消費者に向けて発信する(広告する)際のヒントになるかと思います。なお、JFSのホームページおよびニュースメールの申し込みは文末をご覧ください。
【以下Enviro-News from Junko Edahiro No. 856 2003.06.06より抜粋】

朝日新聞社から出ている『広告月報』という雑誌があります。この6月号の特集が「環境コミュニケーションの今」。この特集のためにお受けしたインタビューを「企業の顔が見える環境コミュニケーションを」という記事にまとめて下さいました。ご快諾をいただいたので、ご紹介します。

「企業の顔が見える環境コミュニケーションを」

消費者の環境に対する意識の高まりのなかで、企業の情報発信の質が問われている。社会から信頼される環境コミュニケーションのあり方とは、どのようなものか。日本の環境情報を世界に発信している非営利組織ジャパン・フォー・サステナビリティ(JFS)共同代表の枝廣淳子氏にお話をうかがった。

○ポイントは継続性と双方向

――環境コミュニケーションにおける情報発信のポイントは。

コミュニケーションとは、基本的にやりとりを続けていくことですので、そのプロセスが一番大事だと私は思っています。どんなに素晴らしい広告を出稿しても、何らかの形で継続していかなければ十分なコミュニケーションとは言えません。

日本の広告は一回一回のクリエーティブは素晴らしくても、その後の情報発信が継続されないケースが多いと思います。ターゲットは情報を受け取っているか、そして彼らがどんな反応をするかを見て、その声に応える形で次の発信につなげていく。このような双方向性が、特に環境というテーマでは重要です。

――海外で行われている環境コミュニケーションと比較して、日本の場合はどのような問題点がありますか。

日本の文化では型や形が重視されますが、コミュニケーションにもそうした傾向があります。例えば、環境報告書を作る場合も、盛り込むべき基準として挙げられている内容をすべて網羅しようとします。そのため完成度は高いのですが、どれも同じような内容になってしまい、面 白さに欠けてしまうのです。

最近JFSでは、海外の優秀な環境報告書を日本語で読み解いて、日本とのコミュニケーションの違いを紹介する活動を行いました。海外では、権威ある賞を受賞しているような環境報告書でも、決められた基準の中で自分たちにとって重要な個所しか使っていません。つまり、企業の顔が見えるような作り方をしているわけです。完璧な姿を見せようとすることより、今の姿をありのままに見せた方が、消費者も親近感を持つはずです。

――「ありのままの今の姿」を見せるということは、完全ではない企業の姿を表に出してしまうことにもなりますが。

確かに日本の企業では、自らネガティブな情報を出している企業は少ないと思います。しかし、消費者の不信感というのは、やっていること自体というよりも、情報を出さないことに対しての方が強いのです。ある海外の石油大手企業は、環境報告書の巻頭にあるトップのメッセージの4番目のパラグラフに、ネガティブな情報を明確に出しています。情報の出し方によっては、ネガティブな情報をプラスに使えるのです。

○人の行動を変える「乗り換える船」

――一般の人々の環境への意識を啓発していくには、どのようなコミュニケーションが有効ですか。

日本で今最も多いのは、環境に対して高い意識を持つ人たちと、無関心な人たちの間にいる「関心はあるが、情報が少なく、行動も以前と変わっていない」という中間層です。彼らに対しての情報発信では「乗り換える船」を用意するということが重要です。

例えば、このままエネルギーを使い続けていてはいけないというだけではなく、ではどうしたら良くなるのかといったことを示すわけです。客観的な情報と共に、今後の歩むべき方向性や選択肢をセットで示すことができれば、多くの人の行動が変わるのではないでしょうか。企業の広告でもこうした発信ができると思います。

――環境に関しては、情報の客観性、信頼性が特に問われます。

情報が少ないケースでは、企業が言っていることをすべて本当と思うか、すべて嘘と思うかのどちらかです。多くの情報を相対的に見て、客観的な判断ができる人が増えていくこれからの時代においては、いくら情報を出しても消費者の判断力を軽視したスタンスであれば手痛い目にあうでしょう。

そのような意識の高い消費者たちが、信頼できる情報源としてとらえているのが環境NGOです。進んだ企業では、すでに環境報告書もNGOとコラボレーションをしながら作るケースが出てきています。広告活動においても、第三者的な機関と手を組むことで消費者からの信頼感を高める動きが出てきてもいいのではと思います。

――不況下にあって企業が環境に取り組むことは、財務的な負担になるという声もあります。

余力があるからやるのではなく、環境問題にちゃんと取り組まないと生き残れないからやるべきなのです。私は特に今苦しい状況におかれている地方の中小企業の方々とお会いする時、「環境に取り組めば、こんなに儲かりますよ」という話をします。問題は環境の何から取り組むかです。

実際、私が一緒に組んでいる中小企業のプログラムでは、多いところは年間1000万円以上のコストを削減しています。たとえ「儲かるからやろう」というスタートでも、社会にも貢献できます。成功事例を増やし、その情報を広く発信することも、環境への取り組みを促進させるには重要です。

――その他、企業の情報発信に対してのご提言はありますか。

環境に対する経営姿勢のような大きな方針を打ち出すのは、トップの仕事です。しかし、型にはまった独自性のないものでは、心に響きません。トップが自分の言葉で消費者や社員に語りかけることがもっと必要だと思います。

――環境コミュニケーションにおいて、新聞広告が果たす可能性をどう考えていますか。

企業は環境報告書を作っていますが、実際に読むのは環境問題の関係者や研究者がほとんどです。最近は一般 の方の関心も高まっていますが、手に入れる機会が少なく、内容も専門的です。新聞広告は、そのエッセンスの部分を抽出して企業の顔を伝えると同時に、興味を持った人をホームページなどの詳しい情報へと導くメディアとしてとても有効です。

ただしエッセンスと言っても、データの要約という意味ではありません。その企業が何を考え、社会でどんな役割を果 たしていきたいか。具体的にどんな目標を持ち、現在どこまでたどり着き、どんな問題点をかかえているのか。そういった「見せるプロセス」の積み重ねが、生活者とのコミュニケーションを育んでいくと思います。

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【Enviro-News from Junko Edahiro No. 856 2003.06.06より抜粋ここまで】

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