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MAGCHIMERA WARTIME 04
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税金の話
2003年11月04日発行
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CONTENTS
▼「消費税率アップは絶対に許せない」か?
▼ 消費税はその存在ではなく中身が問題だ
▼ 付加価値税なら税額を自分で決められる
▼ 投票率が上がると福祉が良くなる
はじめに
こんにちは。衆院選をにらんでの「マグキメラ」第二弾は税金について考えたいと思います。
前号で「緊急連続発行」と大風呂敷を広げたわりに、全然連続しないまま、かれこれ10日が過ぎました。きわめて個人的な話ですが、実はこの間、引越をしてまして(まだ渦中)、ネットへの接続そのものに不自由するありさま。ネットニュースがだめなら紙媒体があるさ、なんですが、頼りの朝日新聞衛星版が新居に宅配されなかったりと、日本のニュースにやや疎くなっているかと思います。そんなわけで、以下の記述に思い違いや新展開があったらお知らせいただけると嬉しいです。
専門家の予想によれば今回の衆院選の投票率は60%程度ではないかとのこと。60%ならたぶん自民党は安泰でしょう。小泉首相は投票率70%を越えても勝てる!と豪語しているようですが、だったら80%越しましょう!と大きく出たいところです。
投票率80%を越すということは、8割の有権者が政治に関心を持つということです。ある人は経済政策に、ある人は教育面
に、ある人は福祉の観点から、またある人は護憲の立場から、それぞれの利害を見据えて政治を監視するということです。今号では投票率80%を越すとどんなことが可能かを、スウェーデンの福祉政策を例に考えてみたいと思います。(藤澤みどり)
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「消費税率アップは絶対に許せない」か?
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民主党が消費税率を上げる可能性を示唆している点をついて、共産党が批判を強めているようです。野党どうしで足を引っ張り合うのは得策ではないといった選挙対策の話はさておき、実際、消費税を上げずにどのように財源を確保するのか、わたしには疑問です。今現在、毎年の税収だけでは財源を確保できず、将来の国民からの借金(国債)で穴埋めをしているわけですが、これを収支とんとんまで引き戻すには何らかの対策が必要です。そのひとつが消費税アップならば、しかたがないと思います。まだ生まれてもいない子どもたちに大人の負債を払わせるわけにはいきません。
スウェーデンは高い税金で有名ですが、わたしが住むイギリスの税金もかなりのものです。細かい数値はあげませんが、所得税にしろ住民税にしろ日本の税率がうらやましいぐらい高いです。その高い税金が「ゆりかごから墓場まで」の福祉政策を支えてきたのですが、これがいまボロボロ。この件について詳述するのはまたの機会にゆずりますが、さて消費税、イギリスでは17.5%です。100円ショップで買い物をするとイギリスでは118円のお支払いになります。
イギリスはここ6、7年、ものすごいインフレなので(ちょうど日本のバブル期のようです)物価高で生活しにくいですが、高いは高いなりになんとかなるのは消費税の中身によるところが大きいと思います。イギリス(だけではないですが)の消費税は、正しくは「付加価値税」です。贅沢税と言い換えることも可能で、生活に密着した商品にはかけられていません。
食品は無税です。医薬品も無税です。新聞や書籍も無税です(このあたりを生活必需品としているところが「らしい」ところです)。交通
費も通常は無税です。紙おむつやベビーフードなど育児に必要な商品も無税です。子どもの衣類や靴も無税なので、小さなサイズで間に合う人は子ども用を狙うとお得です。その代わり、家電などの贅沢品はものすごーく高いので新商品がなかなか普及しません。画像も送れる携帯電話は、まだまだまったくの少数派。壁掛け薄型テレビが宣伝される一方で、いまだに白黒テレビが幅をきかせています。
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消費税はその存在ではなく中身が問題だ
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税の中身をもう少し詳しくみてみましょう。例えば、同じレストランでの食事でも持ち帰りなら無税です。レストランで食べると税金の他にサービス料やチップをたっぷり払わなければなりません。例えば、スーパーマーケットでコーヒー豆とコーヒーミルを買った場合、コーヒー豆は無税ですがミルには税金がかかります。これはもはや「贅沢」とは言わないんじゃないかという電話代には税金がかかりますが、郵便は無税です(が、かれこれ2週間以上、郵便ストが続いていてほとほと困っています)。
極端な話、まったく消費税(贅沢税)を払わずに生活することも(短期間なら)不可能ではありません。
余談ですが、もうひとつ別の税金の話です。タバコ税です。
タバコの小売値を倍にしてもいいんじゃないかとわたしは思ってます。そんなことをいうわたしは嫌煙家だとお思いでしょうが、なんと愛煙家です。何度か禁煙を試みていますが(最長4年半)止められません。わたしの場合、日本のタバコが現行価格の倍になってもたぶん禁煙できません。なにしろイギリスでは今のレートで20本入り1箱850円ぐらい払っているので。禁煙を実行して数ヶ月耐えた後、日本に一時帰国しているあいだに吸い始めてしまったこともあります。意志の弱さもたぶんにあるのは認めますが、なにしろ安いし、そこら中に自動販売機があるので、日本は禁煙決心者には辛い環境です。
うろ覚えですが、たとえ価格が倍になって禁煙者が増えても、わたしのような優柔不断な喫煙者がいるので税収は減らないとの試算を読んだことがあります。タバコ原産地とタバコ販売者は一時的に困るかも知れないけれど、タバコが原因の病気も減るし中高生の喫煙者も減るだろうなあ。
禁煙政策に興味のあるかたは以下のホームページをご覧ください。
「禁煙政策」
http://www.hirake.org/nosmoke/
上記の「禁煙政策」は前号で「無関心党」について記事を転載させていただいた 「開け、電網政治の時代」に姉妹ホームページとして紹介されています。
「開け、電網政治の時代」
http://www.hirake.org/
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付加価値税なら税額を自分で決められる
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話がややそれましたが、以上のように、何に税をかけるかを充分に考えれば付加価値税は合理的、とさえわたしは思っています。なにしろ、知らないうちに、もしくは普通
に仕事をしているだけで自動的に払わざるをえない他の税金に比べて、払うか払わないかを自分で決められるのです。いくら払ったかも明快です。(タバコ税も同様です。)
「贅沢」の線引きをどこでするかがむずかしいところですが、お米とデジタルカメラが同じ税率というのはやっぱりおかしい。こんなこと、たぶん日本に消費税が導入される前からわかりきっていたことでしょうから、なぜそれが実現されないかを考えてみると・・・たぶん、あちらを立てればこちらが立たずで、乱暴にも全部一括して税の対象にしてしまったのではないかと想像します。つまり、消費税ならぬ
「贅沢税」の導入は、あらゆる業界に利権がある現政権では実現不可能だという結論になります。(野党が政権をとれば絶対できるとも思いませんが、実現の可能性は高まると思います。)
そういった観点に立って消費税の問題を考えると、消費税率をアップするかもしれない政党はかつかつの生活をする有権者の敵、とひとことでは言えなくなります。もしもあなたが、消費税を上げないと公約している政党に投票しようとしているのなら、その政党が他の何に財源を求めているかをしっかり読み込む必要があります。(消費税の話について共産党を例にあげましたが共産党に入れるな、と言っているわけではありません。共産党も野党のひとつですから、共産党への投票は与党打倒のためには有効です。ただし、投票率が高ければ。)
さてさて、前置きとは言えないほど長くなってしまいました。胃もたれしたらごめんなさい。では、いよいよ今号のメインディッシュです。スウェーデンの福祉政策を例に「投票率が上がると福祉がよくなる」という、またまた「目からウロコ」のお話です。
このテキストは「Joljol's Page - カンタン!ためになる福祉のおべんきょう」という、スウェーデンの福祉政策を解説したホームページから、制作者のJoljol(こと、たなか)さんより許可を得て転載したものです。他にもボランティアのことや少子化問題などについてスウェーデンと比較しながらやさしく解説されているので、ぜひご一読ください。(ここまで文責/藤澤みどり)
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投票率が上がると福祉が良くなる
「スウェーデンの福祉政策 税金の話」
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http://www.aa.alpha-net.ne.jp/joljol/fukushi/frame.html
「Joljol's Page - カンタン!ためになる福祉のおべんきょう」より転載
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/joljol/
税金! ヤな響きですねぇ(笑)。
「税金なんかなきゃいいのに!」 こう思う人は少なくないんじゃないでしょーか。でもホントに税金がなくなったら困っちゃいますよね。道路とか図書館とか、放っといたら誰かが作ってくれるものじゃないですね。警察とか消防、もちろん福祉関係なんかもイザっていうときにないと困っちゃう。そういったいわゆる「市場原理」のはたらかない分野で、税金はみんなのために使われるワケです。
「理屈はわかるけどやっぱ税金はねぇ」
とお思いのアナタ! ではこれからスウェーデンの税金の話をしましょう。
「スウェーデンでは税金がとても高い。だから福祉に金をかけられるんだ! 日本は負担が少ないんだから福祉に金はかけられないんだ!」こんな話を聞いたことありませんか?
ハッキリ言います。これはウソです。
その根拠をこれから説明していきましょう。
スウェーデンでは税率が非常に高い、これは事実です。では彼らは高額な税金にひーこら言いながらやっとこ生活しているのでしょーか? どうやらそうではないらしいデス。
日本のようにサービス残業で会社に人生を捧げるでもなく、職住近接の達成により長い通
勤時間に悩まされるでもなく、ウサギ小屋などと揶揄される住宅に住むこともない。そして夏には最長2ヶ月の長期休暇を湖畔のセカンドハウスでのんびり過ごす。なんとビックリ、これが一部の大金持ちの生活ではなく、一般
的なサラリーマンの生活なのです!(行ったことないけど)
「なんで普通のサラリーマンが給料から税金払ってそんな優雅な生活送れんじゃい!」と思うのも当然ですが、実はその答えは簡単。
税金がちゃんと国民のために使われているからなのデス。
スウェーデンでは所得から税金をひいた額がほぼそのまま可処分所得(=自由に使えるお金)となります。日本だったら納税後の手取りの中から老後のための貯金、出産やら育児のための貯金、イザというときのための蓄えや生命保険、先のこと考えたらそう簡単にはお金使えないですよね。ところがアチラの国では、そういった不時の支出の際には行政的な配慮が得られるので各個人が万一のために備えておく必要はないのです。もちろんその財源は税金。彼らに言わせればこういうことだろう。
「税金を納めているのだからそれは当然の権利である」
では何で日本ではそうならないのでしょーか?
税金が安いからじゃなくて、みなさんご存知のとおり税金がちゃんと使われてないからですね。そりゃ税金払いたくもなくなりますよ。無駄
なうえに環境破壊すら引き起こす大規模公共事業の数々。黒塗りの高級車で高級料亭で会議(?)するおえらいセンセイ方。汚職に癒着に談合その他、実際どこにどーやって税金が使われてるんだか分かりゃしないもの。
スウェーデンでは自分たちの納めた税金の用途がハッキリ示され、それによって実際に自分たちの生活がよくなっていることが感じられるから、彼らは「税金を取られている」とは感じないワケですね。安心して生活するための財源として「税金を預けている」のです。
じゃ、なんでスウェーデンではちゃんと税金が使われているのでしょう? 政治家が優秀なのでしょうか? まぁ、それもあるんでしょうが、一人ひとりが自分自身の権利を認識しているのが大きいのでしょうね。税金を納めているのだから当然にその使い道を知る権利はあるし、みんなのためにならない税金の使い方をするような政治家は許さないのです。
スウェーデンでは国政選挙の投票率は80%を超えます。情報公開制度も整っており、これだけの国民の目が見つめる中では政治家も勝手なことはできない。また選挙制度は一院制の比例代表であるため、単なる権力や人気だけでは当選できません。政策が重要なのデス。
どこかの国とはズイブン違いますね。
自分たちの納めた税金がちゃんと使われているか国民が監視してるワケです。
「政治に無関心な国民は愚かな政治家に支配される」
古代ギリシャの格言だそうです
(参考文献:竹崎孜著「スウェーデンはなぜ生活大国になれたのか」)
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MAGCHIMERA WARTIME 04 2003年11月04日発行
【編集・発行】藤澤みどり
midori@dircon.co.uk
【melma ID】m00101856
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